第3回:中小規模のECは粗利単価で勝負

前回のレクチャーで『中小規模のECは受注件数で勝負してはいけない』という説明をしました。
ではいったいどのような指標で勝負すれば良いのでしょうか。

 

それは下記の例を見て頂くと理解できます。
下記は私が最近見たECの受注件数と粗利です。
(数値は説明しやすいように意味が変わらない程度の修正をしています。)

A社 B社
受注件数 4,500件/月 2,000件/月
粗利 150万円/月 500万円/月

あなたが経営するならA社とB社のどちらを経営したいですか?
もちろんB社ですよね。

なぜB社が正解なのかを説明したいと思います。

 

中小規模のECは粗利単価で勝負

 

A社は大規模ECと同じように受注件数の増加に一生懸命な会社です。

しかしそのせいで送料無料や値引きが多くなっており、4,500件も受注しているのに月間の粗利が150万円しかありません。
これでは他に収益源がなければ人件費や家賃などを支払うと赤字になりそうです。

赤字を回避するためには受注件数をもっと増加させる必要がありますので、さらに値引きしたり広告予算を増額したりする必要があるかもしれません。
でもそんなことをしていたら会社のお金が尽きて倒産してしまうかもしれません。

 

一方、B社は受注件数ではなく粗利の増加に一生懸命な会社です。

この会社は送料無料になるには1万円以上の購入が必要で、クーポンの発行は行わず値引きもほとんど行っていません
そのためA社に比べ受注件数は半分以下なのですが、粗利は3倍以上になっています。

 

明らかにB社の方が優れていますね。
では、A社とB社の受注1件あたりの粗利(粗利単価と呼ぶ)はいくらでしょうか。

 

A社 B社
受注件数 4,500件/月 2,000件/月
粗利単価 333円 2,500円

 

仮に、A社の粗利単価が500円に増加したとしましょう。
この場合、今と同じ150万円の粗利を稼ぐために必要な受注件数は3,000件(150万円÷500円)になります。

つまり1,500件分(4,500件-3,000件)の注文を失っても粗利単価が167円(500円-333円)増加すれば、月間で獲得する粗利額は変わらないわけです。

しかし3,000件の発送で良いのであれば4,500件の時よりも人件費等が抑えられます。
だから同じ粗利額150万円でも少ない受注件数でそれを達成する方が利益を残すことができるのです。

このように、粗利は粗利単価と受注件数のバランスで決まります。

 

ここでよく出る質問があります。
それは、

「粗利単価を向上させると受注件数が著しく減少し、結局は粗利が減ってしまうのではないですか?」

という質問です。

このような不安は確かに理解できるのですが、これまでの経験でお話しますと、粗利が減ってしまうほどインパクトが大きい受注件数の減少はほとんど起こっていません。
確かに受注件数は多少減少する可能性があるものの、結果としてはそれを補って余りある粗利単価の向上が実現され、最終的には粗利の増加に成功しています。

 

つまり、中小規模のECが最も重視するべき評価基準は『粗利単価』なのです。

 

まとめ

 

今回のレクチャーでは『粗利単価』という概念が登場しました。
あまり聞かない言葉だと思いますが、中小規模のECにとっては最重要と言っても良いぐらいの指標です。

次回からは『粗利単価』の理解をもっと深めながら、実際に粗利を増加させていくための方法を説明します。

 

FULL KAITENは最大2カ月無料!!
無料期間内で解約すれば費用は一切かかりません

「お試し利用を検討する」

次のレクチャーはこちらです。

記事を書いた人

瀬川 直寛

利益を出すことに一生懸命なECが増えればと思い、このレクチャーを執筆しました。 ご質問などありましたら、問い合わせフォームからお送り下さい。順番に返信させて頂きます。