商品仕入れは『予算決め』が9割

『仕入れ金額の予算。他店は、どうやって決めているか知りたい』
『新商品を仕入れる時に、どのくらいの量を仕入れたらいいか分からない』
『仕入れたい商品を全部仕入れると、予算を大きくオーバーしそう。。どうしよう。』

この記事は、そんな方に向けて書いています。

弊社は、2014年1月31日からベビー服ネットショップ『べびちゅ』を運営してきました。

オープン当初。
過去の販売データはゼロ。
べびちゅスタッフでバイヤー経験のあるスタッフもゼロ。

『この商品は○枚売れるはず』という勘を頼りに『仕入れる商品』や『仕入れ枚数』を決めていました。
ですので、当然、当たり外れもありますし、売れそうな商品を全部仕入れようとするととんでもない金額になったりもしました。

そんな状態でしたので、初期の頃の仕入れ業務には、苦労しました。

そして、仕入れ業務をさらに難しくしているのが、ベビー服業界の商習慣です。
多くのメーカーが、『展示会などで予約注文し、その後、追加発注ができない』という発注方法を取り入れているんです。

仕入れ業務の経験が少ないうえに、『予約注文後に追加仕入れができない商品(以下、予約注文商品と記載)』の仕入れをしないといけない。

『ホントに困りました』

予約注文商品の仕入れでの成功や失敗の繰り返し。
そんな中で、予約注文商品の仕入れ金額の予算の決め方について、少しずつルールを整備していきました。

整備された手順は次のとおりです。

  1. ブランドごとに仕入れ金額の予算を決める
  2. 商品ごとに利益が出るよう仕入れ枚数を決める
  3. 仕入れた数がちゃんと売れそうかを検討する

この手順に従って、
『予約注文商品の仕入れ金額の全体予算をどのように決めているか?』
『全体予算内で各商品をどれだけ仕入れるか?』
について説明したいと思います。

ブランドごとに仕入れ金額の予算を決める

商品ごとの仕入れ金額を決める前に、まずメーカーやブランドごとの全体予算を決めます。
先に全体の予算を決めておくのは、『仕入れ過ぎ』や『仕入れなさ過ぎ』を防止することができるからです。

全体予算金額は、前シーズンの販売実績を使います。

『前シーズンの販売実績』は、季節商品であれば前年の同時期。通年商品であれば直近の販売実績を使います。

直近の販売実績は、たとえば、今が4月だとします。
7~8月(2ヶ月)に販売したいということであれば、2~3月(2ヶ月)の販売実績を使います。

実際には、仕入れる金額が全体予算金額を大きく超えたり、予算金額に満たなかったりが発生します。
そういった場合についての対応方法については、『仕入れた数がちゃんと売れそうかを検討する』でご説明します。

あと、新規取引先の場合、過去の販売データがありませんよね。
新規取引先の場合、べびちゅでは売れ行きを見るために最小数を仕入れてみるようにしています。
『新規取引先との取引開始時の仕入れ方』についてもノウハウが貯まってきていますので、別の機会にご説明させていただきますね。

商品ごとに利益が出るよう仕入れ枚数を決める

べびちゅでは『商品ごとに一定額以上の利益が出るように仕入れ枚数を決める』ことをルールにしています。

べびちゅでは、1商品当たりに仕入れる発注枚数を少なくして売り残りを減らそうと考えていました。
ところが、商品ごとの利益を調べてみたところ、社内メンバーの稼働を考えると販売しても利益が出ない商品があることが分かってきました。
ですので、1商品ごとに利益が出る枚数を発注するというルールにしました。

このルールのおかげで、『売れると確信できない商品』の控えめな仕入れ枚数では、利益の基準に達しないので足きりされていきます。
その分浮いた予算をより売れる商品に振り分けていくのです。

利益については、
利益=(上代(定価)-下代(仕入れ値)-送料)×仕入れ枚数-ネットショップにアップするのにかかるコスト
で計算します。

送料、ネットショップにアップするのにかかるコストは、それぞれ次のように計算しています。
送料については、1商品あたりの送料の平均金額を用います。
1発送あたりの平均送料を平均同梱数(2~3商品)で割ることにより、1商品あたりの送料の平均金額を計算しています。

『ネットショップにアップするのにかかるコスト』は、べびちゅでは次の3つです。

  • 商品撮影にかかるカメラマンの人件費
  • 商品ページ作成にかかるウェブデザイナーの人件費
  • 商品ページのライティングにかかるフロントスタッフの人件費

1商品ごとに1万円以上の利益が欲しい場合、利益が1万円以上になるように、仕入れ枚数を決めます。

べびちゅでは、『商品ごとに上代と下代を入力すれば、○○万円以上の利益を出すのに必要な最低仕入れ枚数がわかる』仕組みがあります。
この仕組みを利用して仕入れ枚数を計算しています。

べびちゅでは、仕入れた商品があまり売れなかったとしても、しっかり利益が出るようにするため、1万円以上の最低利益を設定しています。
1万円以上のを設定しておけば、仕入れた半分程度しか売れなくて、残り半分を仕入れ値程度まで値引きしたとしても、商品ごとでも利益がなんとか出ます。

仕入れた数がちゃんと売れそうかを検討する

ここまでで商品ごとの仕入れ金額を決めることが出来ましたので、その合計と全体予算を比べていきます。

予算内の場合

仕入れ金額の合計が予算内に収まっている場合、無理して増やす必要はありません。
ただし、メーカーやブランドの売上高が増加傾向にある場合は、仕入れ金額が少ない可能性があります。
その場合は、売れそうな商品やサイズの仕入れ枚数を増やします。

最後にホントに売れるだろうかという観点から、過去の販売傾向を参考に最終チェックし、問題なければ仕入れます。

予算を超えてしまった場合

予算を超えてしまった理由は、大きく2つあります。
1つは『仕入れ過ぎ』。もう1つは『今回は売れそうな商品が多い。』

どちらの場合も、『ホントに売れるか?』という観点で、過去の販売傾向を参考にチェックします。
仕入れ商品を減らしたり、仕入れ枚数を減らしたりしながら、『売れる!』と思える商品に絞り込んでいきます。

チェック後の仕入れ金額が全体予算の10%以内の超過であれば仕入れます。
それを超えている場合は、全体予算の10%以内に収まるよう、再度絞り込んでいきます。

まとめ

べびちゅでは、予約注文商品の仕入れ金額の予算と予算内で仕入れる商品を次の手順で決めています。

  1. 過去の販売実績を参考にして、ブランドごとに仕入れ金額の予算を決める
  2. 商品ごとにある一定の利益が出るように仕入れ枚数を決める
  3. 過去の販売傾向を参考にし、仕入れた数がちゃんと売れそうかをチェックする

べびちゅでは、この手順で仕入れることにより、『売れ残りによる不良在庫が増えるリスク』や『欠品による売り逃しのリスク』が軽減されています。

以上、業態や店舗の規模での違いはあるかと思いますが、本記事が貴社のネットショップでの仕入れのご参考になれば幸いです。

記事を書いた人

加藤

在庫削減と仕入れ最適化の講座を担当しています。このレクチャーを読んでいただいたECショップのみなさまの在庫がうまく削減され、仕入れが最適化されればという思いで、執筆しました。 ご質問などありましたら、問い合わせフォームからお送り下さい。順番に返信させて頂きます。