ECで商品点数が増えすぎたら、真っ先にすべきこと

『このECショップ、商品点数が多すぎて、目当ての商品にたどり着けない・・・。』
お客様がこう感じてしまうECショップは、意外に多いんです。

ベビー服EC『べびちゅ』でも同じようなことが起こっていました。
商品のカテゴリーやブランドごとに、何ページにもわたって商品が並び、お客様のお目当ての商品にたどり着けないということが起きるようになってきたんです。

確かに、
ある一定のレベルまでは、商品点数が多いほど、売上が伸びていきます。

これは、お客様が品揃えの悪いショップより、品揃えの良いショップで買い物をしたいという心理や多様なお客様の好みに答えることで、お客様の幅が広がることが主な理由です。

しかし、
品揃えが多いほうがうれしいという購買心理とは裏腹に、選択肢が多くなり過ぎると逆にストレスを感じるという性質を、人はもっています。
いわゆる『選択のパラドックス』と呼ばれる理論です。
重要な考え方なので、記事の中で後ほど詳しく説明しますね。

そして、品揃えが多いことによるもうひとつの課題が、
『商品が多すぎて、お目当ての商品までたどり着けない』
という問題です。

今回、べびちゅでは、次の2つを両立させることに挑戦しました。

  • 品揃えが豊富なことをお客様に伝えたい
  • お客様が目当ての商品にたどり着きやすいようにしたい

そして、その施策は、ある一定の成果を出すことが出来ましたので、順を追って説明したいと思います。

選択のパラドックスとは?

私が『選択のパラドックス』という言葉を知ったのは、バリー・シュワルツという心理学者がTEDで話しをしている動画を見た時だったと記憶しています。
簡単にいうと、『(選択の)自由が多いと人は幸せになれない』という内容だったと思います。
バリー・シュワルツの『選択のパラドックスについて』の講義の動画はこちら

そのあと、シーナ・アイエンガーというコロンビア大学ビジネススクールの教授をされている方が、これもTEDの動画で『実際に選択肢が多い場合と少ない場合で、どちらの購買が多くなるか』といった実験の話をされているのを聞きました。

シーナ・アイエンガーの実験内容は、24種類と種類のジャムの試食ブースを設置し、どれだけの人が試食し、そのあと、購入にいたったかを調べるというものでした。
結果は次のとおりです。

  • 24種類の場合と6種類の場合で、24種類の方が試食をした人数が40%多かった
  • 24種類の場合、試食したうち、3%しか購入しなかったが、6種類の場合、30%が購入した

シーナ・アイエンガ―の『選択をしやすくするには』の講義の動画はこちら

非常に興味深い話だったので、頭には残っていました。
にもかかわらず、実際のECの運営においては、圧倒的な品揃えが大事だとずっと考えていました。

しかしながら、べびちゅでは取り扱い商品数が増えると商品が探しにくくなったように感じたので、お客様がより探しやすいように改善することにしました。

改善の内容について

今回の改善は、カテゴリートップページの改善です。
なお、べびちゅでは、『カテゴリー』とは、『水着』『ヘッドアクセサリー』『ロンパース』などの切り口で分類したものを指します。

『ロンパース』のカテゴリートップページの改善前改善後を表示します。

 

▲カテゴリーページ改善前▲

▲カテゴリーページ改善後▲

どこが変わったか分かりますか?

改善後は、カテゴリートップページを見れば、サブカテゴリーに何があるかが一目で分かるようにしました。

本改善によって、
カテゴリートップページで、カテゴリー内に『商品点数がたくさんあることをアピール』しつつ、『お目当ての商品の探しやすさを高める』ことができるようになりました。

ちなみに、『サブカテゴリー』とは、カテゴリーの中身をさらに小さなカテゴリーで分類したものです。
上記画像でいうと、『浴衣・甚平』『プチプラ』『BIBPA(※)』『男の子ロンパース』『前びらき』『殿堂入りロンパース』などが『サブカテゴリー』になります。
※『BIBPA』はブランド名です。特徴的なロンパースが魅力のブランドなので、サブカテゴリーにしました。

さらに、カテゴリーの先のページでも、サブカテゴリーを見えるようにすることで、間違えて押した場合や他のサブカテゴリ―の商品を探したいときに移動しやすくしました。
『ロンパース』のカテゴリートップから、男の子ロンパースを押した移動先は、次の画像のようになります。

▲男の子サブカテゴリーページ▲

続いて、本改善によって、どのように数値が変わったかについて、説明します。

埋もれていた商品の受注数が改善!

今回の改善で達成したかったのは、埋もれていたせいで、お客様がたどり着けないという問題を解決することです。
見事に改善されました!

もちろん、悪化したサブカテゴリーや変化のなかったサブカテゴリーの商品もあります。
しかし、全体で見ると大きく受注商品点数に改善が見られました!

比較については、改善直前の10日間(2017年5月10~19日)と改善後の10日間(2017年5月20~29日)のサブカテゴリーごとの受注商品点数数になります。

改善前(5月10-19日) 改善後(5月20-29日)
殿堂入りロンパース 8 2点
前びらきロンパース 0点 0点
ビブパ 34点 41
プチプラ 0点 0点
浴衣・甚平ロンパース 0点 0点
男の子 24点 33
期間合計 66点 76

まとめ

  • 今回行った改善で、たくさんあることをカテゴリートップで表現しつつ、
  • サブカテゴリーを作ることで、探している商品に行きつきやすくなりました
  • その結果、今まで埋もれていた商品が購入されるようになりました
  • しかし、商品点数の少ないカテゴリーやブランドにサブカテゴリーを用意するとサブカテゴリー内の商品点数が少なくなってしまいます
  • ですので、商品点数が多いカテゴリーやブランドを中心のこの改善を進めていく予定です
  • また、改善が見られなかったり、悪化したサブカテゴリーについては、切り口が間違っていた可能性があるので、今後も改善を進めていきたいと考えています

記事を書いた人

加藤

在庫削減と仕入れ最適化の講座を担当しています。このレクチャーを読んでいただいたECショップのみなさまの在庫がうまく削減され、仕入れが最適化されればという思いで、執筆しました。 ご質問などありましたら、問い合わせフォームからお送り下さい。順番に返信させて頂きます。