受注率は、閑散期と関係ないってホントですか?

『閑散期の受注率、逆に上がったりするんだよなあ・・・。』
『と思ったら、大きく受注率が下がったりすることもあるし・・・。』

ベビー服EC『べびちゅ』では、受注率の変動は、閑散期の影響を受けないと考えていました。
というより、閑散期なのに受注率が上がる月などもあり、時期的に集客数が少ない分、購買意欲の高いお客様が多いのではないかと考えていたくらいです。

でも、この考え方は、間違っていたようです・・・。
今回、3年分の『受注率の月次推移』と『セッション数(集客数)の月次推移』を比較しました。

そして、面白いことに気付きましたんです。
それは、『受注率は、閑散期とは別の原理で変動するのかもしれない』ということです。

もし、受注率や集客率が『落ち込む月』や『落ち込む原因』が分かれば、『落ち込む月』や『落ち込む原因』に応じた最適な施策を打つことができるようになります。
ですので、本記事では、受注率や集客数が落ち込む月やその原因を考察し、それぞれの原因にあった最適な施策について説明していきたいと思います。

それでは早速説明します。

受注率とセッション数。落ち込む月のズレ

まず、受注率とセッション数(集客数)を2014年5月から月次で比較してみました。
視覚的に分かりやすいように、受注率とセッション数が落ち込む月に色付けしてあります。

利用した数値は検索経由のセッション数(集客数)と受注率(=受注数/セッション数)の月次推移です。
季節変動を確認するために前月との増減率を計算しました。

ちなみに5月からを開始月にしたのは、弊社の決算期が5月から始まることと、べびちゅがスタート(2014年2月)して、しばらくは季節変動が見えにくかったからです。

受注率 前月比増減 セッション数 前月比増減
2014年5月 0.196% 56,058
6月 0.296% 50.92%  47,612  -15.10%
7月 0.275% -7.16%  57,469  20.70%
8月 0.299% 8.75%  73,244  27.40%
9月 0.283% -5.47%  96,232  31.40%
10月 0.319% 12.75%  118,611  3.30%
11月 0.309% -2.95%  92,797  -21.80%
12月 0.390% 26.24%  92,976  0.20%
2015年1月 0.232% -40.62%  116,028  24.80%
2月 0.312% 34.52%  117,997  1.70%
3月 0.419% 34.50%  119,913  1.60%
4月 0.451% 7.54%  109,293  -8.90%
5月 0.419% -7.07%  104,488  -4.40%
6月 0.529% 26.31%  102,367  -2.00%
7月 0.450% -15.03%  112,248  9.70%
8月 0.436% -3.18%  116,626  3.90%
9月 0.437% 0.35%  130,399  11.80%
10月 0.460% 5.15%  137,060  5.10%
11月 0.405% -11.88%  133,808  -2.40%
12月 0.399% -1.54%  139,658  4.40%
2016年1月 0.362% -9.22%  147,209  5.40%
2月 0.449% 24.11%  149,101  1.30%
3月 0.489% 8.80%  159,546  7.00%
4月 0.471% -3.60%  141,532  -11.30%
5月 0.370% -21.39%  131,724  -6.90%
6月 0.483% 30.27% 120,593 -8.50%
7月 0.696% 44.23% 105,591 -12.40%
8月 0.613% -11.87% 106,116 0.50%
9月 0.521% -15.14% 138,106 30.10%
10月 0.463% -11.01% 137,924 -0.10%
11月 0.443% -4.40% 116,947 -15.20%
12月 0.438% -1.13% 117,142 0.20%
2017年1月 0.342% -22.01% 135,272 15.50%
2月 0.418% -22.26% 126,454 -6.50%
3月 0.426% 1.97% 136,228 7.70%
4月 0.418% -1.88% 119,931 -12.00%

※月次の受注率とセッション数のデータは、グーグルアナリティクスから取得しました。

落ち込む月がヅレているのが分かりますね。
そして、受注率にも季節変動(周期性)要因がありそうです。

受注率の季節変動性

べびちゅでいうと、受注率が落ち込むのは、5月、10月~1月であることが見えてきました。
ちなみに、集客数については、11月~12月と4~8月が落ち込む月(閑散期)であると考えています。

なお、集客数の落ち込みについては、次の記事で詳しく説明しています。ご参考にしていただければ幸いです。
参考記事:集客が急に落ちた?それって季節変動の影響ではないですか?

では、なぜ、集客数と受注率で落ち込む時期が違うのでしょう?

集客数と受注率で落ち込む時期が違う理由

べびちゅでは、
集客数と受注率で『落ち込む時期』が違うのは、集客数と受注率では『落ち込む理由』が違うからではないか
と考えています。

それぞれの理由を説明します。

集客数が落ち込む月がある理由

集客数は、商品がもつ季節性によって、変動すると考えています。
つまり、商品がオフシーズンに入れば、集客数(逆にいうと探している人)が減るというロジックです。

ベビー服でいうと、『夏服を夏真っ盛りに買う人は少ない(夏服は夏より少し前に買うから)し、冬真っ盛りに冬服を買う人も少ない』ということになります。

受注率が落ち込む月がある理由

それに対し、受注率は、お客様のお財布事情によって、変動するのではないかと考えています。
つまり、出費がかさみやすい時期に購買意欲が落ちるというロジックです。

大型連休やクリスマス、年末年始などの多くの日本人に共通のイベントが多い時期に購買意欲が下がるのではないかということです。

理由が分かったとして、なにができるの?

仮に上記の集客数と受注率が落ち込む理由が正しかったとします。
私たちは何ができるのでしょう?特に集客数も受注率も下がっているときが最悪のパターンですよね。

出費がかさんでいて、購買意欲が下がっているから受注率が下がってるのであれば、
お客様にとって、よほど魅力的な条件を示さないと受注率を上げるには、難しいと思います。
たとえば、今しか買えない魅力的な商品を紹介したり、大幅値下げのセールを行ったりするといったことでしょうか?

それに対し、『出費がかさんでもまだまだ大丈夫!』という購買意欲の高いお客様は必ず存在するはずです。

ですので、集客数も受注率も落ち込む月には、まず集客に手を付けます。
集客といっても、季節性の高い商品は、売れにくくなっているハズなので、通年売れる商品や季節性の低い商品などを押していくことがコツといえるかもしれません。

というように、現在の季節変動要因が、商品の季節性によるものなのか、お客様の購買意欲が下がっていることによるものなのかを見極めることによって、打つべき最善の策が変わってきます。

まずは、貴社ECショップの季節変動要因が集客数、受注率どちらの要因で起きているのかを調べてみることをオススメします。

季節変動による落ち込みが『いつ』、『どういった要因』で起こるかが分かるようになれば、打つべき最善の策がおのずと見えてくると思います。

なお、今回は、『受注率』も『集客数』も落ち込むという最悪のパターンの対応方法をご提案しました。
しかし実際には、『受注率』はいいけど『集客数』が悪いというパターンや『受注率』は悪いけど『集客数』はいいというパターンなど色々なパターンが存在しますよね。
こういったパターンに対する対応方法については、別の記事でご紹介したいと思います。楽しみにしておいてください!

まとめ

  • 受注率が落ち込む月と集客数が落ち込む月にはズレがある
  • このズレは、受注率と集客数の落ち込む理由に違いがあることによるものだと考えられる
  • 受注率は、出費の多くなりやすい月に落ち込みやすい
  • 集客数は、季節性の高い商品がオフシーズンに入る月に落ち込みやすい
  • 受注率、集客数の落ち込む時期を把握しておくことによって、うつべき施策も変わってくる

以上、本記事が貴社のEC運営のお役に立てれば幸いです。

記事を書いた人

加藤

在庫削減と仕入れ最適化の講座を担当しています。このレクチャーを読んでいただいたECショップのみなさまの在庫がうまく削減され、仕入れが最適化されればという思いで、執筆しました。 ご質問などありましたら、問い合わせフォームからお送り下さい。順番に返信させて頂きます。