【EC虎の巻】在庫の実力を可視化すると、売上が増え、不良在庫が減る!

前回の記事で、仕入れの際に『何日で売り切るための個数を仕入れるか』という視点を持てば、不良在庫が生まれる可能性が下がるという説明をしました。
この仕入れ方法は、仕入れの基礎とでも言うべき方法です。
参考記事:完全図解!不良在庫リスクが低い仕入れ方法

今回の記事では、仕入れの基礎に1つエッセンスを追加するだけで、売上を増やしたり不良在庫リスクをもっと下げたりすることができるという説明をします。

ポイントは、在庫を実力別で4つに分類することです。
それでは参ります。

在庫の実力とは

『売れ筋』というキーワードは皆さん聞いたことがありますよね。

ではこのキーワードを在庫の実力を表すキーワードとして使っている方はどれぐらいいますでしょうか。

おそらくほとんどいないはずです。
理由は、在庫の実力という考え方自体がほとんど浸透していないからです。

在庫には実力があり、4つに分類することができます。
『売れ筋』はその中でも最上位に位置する在庫のことです。
下記に在庫の実力4分類を紹介します。

売れ筋

  • よく売れている人気商品のこと

売れ筋候補

  • 人気が出始めた商品のこと
  • 売れ筋だったが少し人気が落ちてきた商品のこと

不良在庫候補

  • あまり売れていない商品のこと
  • 不良在庫だったが少し売れ始めた商品のこと

不良在庫

  • 売れていない商品のこと

ECショップが持つ在庫をこの4つに分類することを、在庫の実力を可視化すると弊社では呼んでおり、分類ごとに異なる施策を打つようにしています。

その結果、

  • 売上アップのために何をするべきか
  • 不良在庫リスクを下げるために何をするべきか

が弊社は手に取るようにわかっています。

では分類ごとに一つ一つ説明していきます。

売れ筋の施策

売れ筋に分類された在庫は、基本的には売り切れを起こしてはいけない商品群です。

仕入れでは、前回の記事で紹介した『何日で売り切るための個数を仕入れるか』という視点を持って仕入れるという方法を使ってほしいのですが、仕入れる商品に関しては売れ筋に分類された商品を対象にしましょう。

これはつまり、売れるとわかっている商品をガンガン仕入れて売るということです。
売り切れを起こさないように仕入れるのですから、売り切れで販売機会を損失することがなくなるので売上がアップしていきます。

正確な数値は取れていませんが、売れ筋の在庫を切らすことによる販売機会の損失は、おそらく皆さんが思っているより多いと思います。
経験上、おそらく10%程度は売上が伸びるのではないでしょうか。

なお、セールの機会があっても売れ筋商品をセールする必要はありません
以前の記事で紹介したように、ECショップにとって最も重要な指標は粗利ですので、値引きはできるだけしないようにして下さい。
参考記事:1分でわかる!粗利の重要性

売れ筋候補の施策

売れ筋候補に分類された在庫は、意識的に露出機会を増やすべき商品群です。

ECサイトのトップページで紹介したり、バナーを目立たせたり、メルマガで紹介したり、メディア分散型集客にチャレンジしているECショップなら投稿するコンテンツに使ってみたりして下さい。
参考記事:8カ月で月間130万PV!後発ECのための集客方法

露出機会を増やすことで認知を拡げ、売れ筋候補商品の中から一つでも多くの商品を売れ筋に昇格させることを狙っていきます。

ECショップを運営する中で、おそらく一番手がかかるのがこの売れ筋候補に分類された商品です。
しかしこの中にダイヤの原石が隠れていますので、未来の売れ筋商品を見つけるためにあの手この手で露出機会を増やして下さい。

なお、売れ筋候補の商品を仕入れる時は、売り切れてから仕入れるようにしましょう。
売れ筋候補の商品は玉石混交ですので、宝の原石だけではなく不良在庫に落ちていく商品も混ざっています。
売り切れてから仕入れることにより、不良在庫に落ちていく商品の在庫数が多くなることを避けます。

不良在庫候補の施策

不良在庫候補に分類された在庫は、利益は薄くて良いのでセールで現金化すべき商品群です。

最も怖いのは商品が不良在庫に分類されることです。
なぜなら、不良在庫に分類された商品が何かしらの施策で浮上していくというのは、弊社の経験上あまり起こったことがないからです。

そのため、不良在庫候補に分類された商品は、セールの機会を使って売り切り、現金化することを考えて下さい。
但し、少なくても良いので利益が出るような値付けのセールにしましょう。
いわゆる損切りをするということですね。

こういう決断を適宜行うことで、不良在庫に分類される商品が増えていくことを避けます。

不良在庫の施策

不良在庫に分類された在庫は、在庫の新陳代謝に使う商品群です。

先ほども説明しましたように、弊社の経験上、一度不良在庫になった商品が何かしらの施策でランクアップしていくことはほとんどありません

ですから、不良在庫に分類された商品は採算度外視で構いませんのでセールで売り切り、現金化してしまって下さい。
そしてそのお金で新商品を仕入れ、売れ筋商品を見つけるようにしましょう。

ところで、不良在庫というのは本当に厄介な存在です。

会計上は在庫が不良在庫か売れ筋かという区別はありませんので、在庫は在庫として扱われ、資産として計上されます

そしてここが厄介なのですが、資産には価値があるというのが会計の考え方ですので、税金がかかります
つまり不良在庫は売れない商品なのに、決算の時だけは資産として高く評価され、課税されてしまうということです。

だから会社によっては不良在庫を捨てるなどして処分する会社もあるぐらいなのです。
捨てるというのはちょっと倫理的にどうかと思いますので、採算度外視でセールをしてとにかくお金に変えるということに注力して下さい。

不良在庫を不良在庫として残しておくことにはデメリットしかありませんので、不良在庫は新たな売れ筋を見つけるための肥料だと考えましょう。

商品にはライフサイクルがある

ところでなぜこのような4つの分類を行うのでしょうか。

それは、商品は生き物だからです。
つまり生まれてから死ぬまでのライフサイクルが商品にもあるということなのです。

人気商品が急に売れなくなったという経験は、ECショップに関わる人ならみんなしていますよね。
「去年はあんなに売れたのに、今年はさっぱり」
みたいな経験もECではよくあることです。

徐々に売れ始め、販売のピークを迎え、次第に売れなくなっていくというサイクルを、ある商品は短期間で、別の商品は長期間で流れていきます。
これが商品のライフサイクルです。

ですから、自社のECショップで扱う商品がライフサイクルの今どのあたりに属しているのかということを把握しなければ、売上アップも不良在庫リスクを避けることもできないわけです。

どのようにして分類するのか?

それでは最後に在庫を4つに分類する方法を説明します。

まず、あなたのECでの売れ筋を定義します。
そのために次の質問に答えて下さい。

あなたのECでは1週間に何個以上売れる商品を売れ筋としますか?

今決めた個数を

1週間で売れる商品 = 売れ筋
2週間で売れる商品 = 売れ筋候補
3~4週間で売れる商品 = 不良在庫候補
4週間たっても売れない商品 = 不良在庫

というルールで分類してみて下さい。

実際には、もし取り扱っている商品が高額なものであれば1週間ではなく1カ月という期間で考える方が良いというケースもあります。
その場合は柔軟に考え方を変えてみて下さい。

まとめ

いかがでしたか?

在庫の実力を可視化すると、EC運営がずいぶんと科学的になっていくような気がしませんか?

実際その通りなのです。
弊社も数年前までは在庫の実力の可視化はできていませんでした。
でもそれを行ってからは、打つ施策、押し出す商品、仕入れ、新商品の開拓、セールなどあらゆるものに意図が生まれるようになりました。

意図があると、成功も失敗も原因を見つけやすくなります
まさにEC運営が科学的になっていくということですね。

勘に頼らずにECショップを運営できるというのは、本当に心の余裕に繋がります。
経営者、店長さん、施策担当者、バイヤー、皆さんにぜひこの体験をしてほしいと思ってこの記事を書きました。

なお、在庫の実力を可視化するための簡単なツールを今開発中です。
完成しましたら、またこの場で案内させて頂きますね。

記事を書いた人

瀬川 直寛

利益を出すことに一生懸命なECが増えればと思い、このレクチャーを執筆しました。 ご質問などありましたら、問い合わせフォームからお送り下さい。順番に返信させて頂きます。