1分でわかる!粗利の重要性

皆さんは、EC経営にとって最も重要なことは何だと思いますか?

弊社は、粗利だと考えています。
人件費も家賃や光熱費も梱包資材等も、全て粗利の中から支払われますので、粗利こそがECの利益の源泉になっているからです。

ですから弊社では、粗利をEC経営の最重要指標として計測しています。

粗利は、取り扱いを間違えるとECを倒産に追い込んでしまう指標です。
この記事では簡単に値引きをしてはいけない理由を具体的な例を交えて粗利の観点から解説していきます。

ECの経営者や店長だけではなく、施策を考える担当者も、この記事で説明する粗利の話を知っていると日々の決断に自信が持てるようになります。
「売上が増えれば良い、受注件数が増えれば良い」という考え方は本当に危険ですので、この記事が考え方を変えるきっかけになってくれればと願っております。

1分でわかる!粗利の重要性

1本100円のボールペンがあるとします。
このボールペンの原価は60円だとしましょう。
そして、このボールペンを1本販売するのにかかる販売経費は30円だとしましょう。

このボールペンを販売して900円の売上を達成する方法は次の2パターンです。

1パターン目
1本100円のボールペンを9本販売する

2パターン目
1本100円のボールペンを10円値引きして90円とし、10本販売する

どちらも900円の売上になりますね。
ではこの2パターンについて、粗利がどうなったかを計算してみましょう。

1パターン目の粗利
100円×9本-60円×9本=360円

2パターン目の粗利
90円×10本-60円×10本=300円

粗利に60円の差がつきました。
先ほど、このボールペンを1本販売するのにかかる販売経費は30円という前提にしていましたので、粗利から販売経費を差し引くと残った利益は、

1パターン目の利益
360円-9本×30円=90円

2パターン目の利益
300円-10本×30円=0円

になります。
最初に販売価格を10円(たった10%)値引きしただけなのに、最後に残る利益には90円分の差が付きました。

ボールペンを何円で販売しようと、1本販売するのにかかる販売経費は30円で固定です。
だから販売価格をたった10%値下げしただけなのに利益に大きな差が出てしまったわけです。

これは特別な例だと思いますか?

皆さんのECで考えてみて下さい。
いくら値引いたりセールに出品したりしようと、働く社員の人件費や事務所の家賃・光熱費は固定ですよね。
つまり販売経費は固定だということです。
ボールペンの例と同じですね。

だから簡単に値引きして粗利を減らしてしまうと、粗利から販売経費を差し引いて残る利益を大きく失ってしまう可能性があるわけです。

しかも実際のECの現場では、販売経費を削減することは非常に困難です。
人件費・家賃・光熱費・梱包資材費など、そんなに簡単に削減できるものではありませんよね。

「利益=粗利-販売経費」ですから、販売経費を削減できないならば粗利を出来るだけ稼ぐ以外に利益を生み出す方法はありません。
そして粗利が増えなければ、給与アップもボーナス支給も職場環境の改善も何もできないわけです。

粗利の重要性と簡単に値引きしてはいけない理由、ご理解頂けましたでしょうか。

ECを成功させるには、粗利の最大化を重要な数値目標に設定し、あらゆる施策を粗利への貢献度で評価するようにして下さい。
それができれば、日々の売上額や受注件数に一喜一憂せず、腰を据えてEC運営を行うことができるようになります。

粗利は2つのバランスで最大化を狙う

では、粗利を最大化するための数値管理の方法を説明します。
まずは次の公式をご覧ください。

粗利 = 粗利単価 × 受注件数

粗利単価というのは、1件の注文で生まれる粗利額のことです。
つまりこの公式は、1件の注文で生まれる粗利額に受注件数を掛け算したものが粗利だということを表している当たり前すぎる公式です。

しかしこの公式は、非常に重要なことを教えてくれます。

先ほどまで、粗利を最大化するためには出来るだけ値引きをしてはいけないという説明をしてきました。
これは値引きへの戒めという意味でも頭に叩き込んで下さい。

頭に叩き込んで頂いた上で、値引きが許されるケースの説明をします。

繰り返しますが、大事なことは粗利が最大化されることです。
もし値引きをして粗利単価が下がったとしても、受注件数が増えて、粗利が最大化されるならその値引きはむしろ正しいということになります。

つまり、粗利の最大化は粗利単価と受注件数のバランスで実現するということです。

弊社が運営しているベビー服EC『べびちゅ』でも、5%引きクーポンを配ることがあります。
これは値引きに当たる行為ですが、弊社ではテストの結果、5%引きクーポンが粗利を最大化することを確認しています。
だからあえて配っているわけです。
このあたりのテスト結果については、別の記事でも紹介していますのでぜひご覧になって下さい。
参考記事:売上と粗利を最大化するクーポンが見つかった

ただ、これは経験上の話ですが、値引きは皆さんが思うほど受注件数の増加に直結しません
思い切り値引いたからと言って、受注件数が思い切り増えることはほとんどないのです。
おそらく増えても20~30%程度ではないでしょうか。

安いから買うという人ばかりではないのは、ECを運営する側にとってはとても嬉しいことですので、安さの追求に走り過ぎるのは本当に止めましょう
弊社も安さの追求に走って痛い失敗をしたことがありますので、その件については下記の記事をご覧になって下さい。
参考記事:『2,000円以上購入で送料無料』がなぜ失敗したのか?

ここまでで、粗利最大化の重要性と、粗利の最大化は粗利単価と受注件数のバランスで実現するという2つについてご理解頂くことができたと思います。

まとめ

ここまで説明してきたことを正しく理解できれば、

「売上を増やしたい」
「受注件数を増やしたい」

という言葉には注意すべき点があることに気付くはずです。

  • 売上は粗利が生まれる売上でなければ利益が出ない
  • 受注件数は粗利単価とのバランスを欠くと利益が出ない

そして利益が出ないECは継続が困難になっていきます。

弊社が運営しているベビー服EC『べびちゅ』では、粗利が最大化する施策を見つけるためのツールを開発して運用しています。
その結果、現在の粗利単価は最も悪かった時の2倍にまで増えています。

このツールは近いうちに皆さんにも使って頂けるようにしたいと思っています。
楽しみにお待ちください。

記事を書いた人

瀬川 直寛

利益を出すことに一生懸命なECが増えればと思い、このレクチャーを執筆しました。 ご質問などありましたら、問い合わせフォームからお送り下さい。順番に返信させて頂きます。