【購買履歴の活用事例】リピーターが次に買いそうな商品が分かるってホントですか?

リピーターの方に、ばっちり好みの商品をご紹介したい!
あなたが、ショップの店員をされているとしたら、接客の際、いつも考えていることではないでしょうか?

ベビー服ネットショップ『べびちゅ』でも、出来る限り、お客様の好みにあった商品をご紹介し、お客様に喜んでいただきたいと常々考えております。

しかし、
ネットでは、対面で話をする機会が少ないため、好みを直接聞くという機会が多くはありません。
ですので、お客様が購入した商品のテイストやサイズなどに基づき、お客様の好みを類推するしかありません。

でも、お客様の好みを類推したりできるのでしょうか?

実は、可能なんです。
べびちゅでは、購買データを利用し、お客様の好みを類推するシステムを開発しました。
このシステムを利用し、1年以内に購買をしたメール会員を、商品を好みそうなセグメント(A)とそれ以外(B)に分け、ABテストを行いました。

なんと、AとBのクリック率の差は、最大で2.38倍になりました。
もちろん、クリック率が高かったのはAです。平均でも1.57倍の差がでました。

お客様の好みにあった商品を見つける弊社独自の仕組みがうまく機能していることが分かったんです!

何故このような結果が出たのでしょう?
それは、人がもつ感性とシステムによる計算をうまく組み合わせたからです。
今回、購買履歴を利用して、お客様の好みにあった商品を見つける弊社独自の仕組みについて、ご説明したいと思います。

データは全能ではない

データがたくさんあれば、何かすごいことが出来るハズ!
そう考えている人は多いのではないでしょうか?

ですので、
一時期、『プライベートDMP』などが流行り、とにかく社内にあるデータを統合し、マーケティングに活かしたいというマーケティング担当者が増えました。

※DMP:DMP(Data Management Platform)とは、インターネット上の様々なサーバーに蓄積されているデータや自社サイトのログデータ、販売データなどを一元管理、分析し、マーケティングの最適化を実現するために活用するためのプラットフォームのことです。
※プライベートDMP:プライベートDMPとは、企業独自のマーケティングデータ(購買情報、ユーザープロファイル、各種プロモーションの結果等)を集約し、これを外部のデータと連携させ構築するプラットフォームのことです。

しかし、
導入コストが膨大なことや実務的に使いこなせないといった理由から、計画段階で多くの企業が導入を諦めました。
うまく導入するには、まず次の2点をしっかり検討する必要があったんです。

  • データを使って、何を実現したいのか?
  • 実現したいことを実行する体制は十分か?

データを使って、何を実現したいのか?

データを使って、何を実現したいですか?
弊社の場合、『お客様のことをもっと知りたい』が答えでした。

以下、脳内の会話です。
Q1:『お客様のことを知るとは、どういうことですか?』
弊社:『お客様がほしい商品が分かるということです。』

Q2:『お客様がほしい商品を分かって、どうするのですか?』
弊社:『お客様に合った商品を紹介します。』

Q3:『どうやって紹介しますか?』
弊社:『ECサイトではお客様ごとに好みに合わせて表示内容を変えたり、メルマガでお客様がほしい商品だけを紹介するなどを考えています。ただ、ECサイトでのお客様ごとの表示切り替えは技術的な問題もあり導入に時間がかかるので、まずは、メルマガでお客様がほしい商品を紹介することから始めたいです。』

実現可能性はあるのか?

お客様のことを知り、それを実務に活かすことはできるのでしょうか?
弊社の場合、導入にあたり次の2つの課題がありました。

  • そもそも、お客様の好みを知ることができるのか?
  • HTMLメールの出し分けをしようと思うと多くのコンテンツを作らないといけない(時間がかかる)

そもそも、お客様の好みを知ることができるのか?

お客様の好みを知ることは、小売りでいうと、『なぜこの商品を購入したのか?』を知ることとほぼイコールです。
『そんなことができるのか?』と思われるかもしれませんが、近いところまでは可能です。

どうするかというと、
商品を購入した理由を列挙していき、それらの要素をデータ化していくんです。

要素というのは、色だったり、テイストだったり、生地だったりします。
大切なことは、この要素出しをお客様に近い立場の人が行うということです。

なぜ大切かというと、
お客様に近い立場の人が要素出しをすることが、お客様が商品を購入した理由をより正確に知ることにつながるからです。
弊社では、現役ママでべびちゅのお客様でもあるスタッフに要素出しをお願いしました。

商品ごとについている要素データと購買情報を紐づけ、お客様の好みを特定していきます。
各要素に関しては、現時点では重み付けをせずに並列で扱っていますが、それでも冒頭のような成果が出ているんです。

より購買に結び付く要素を特定し、重み付けすることによって、予測精度はもっと上がると考えていますが、現時点では、そこまでの精度を求めていません。

というのも、精度を上げれば上げるほど、できることが増え、施策の数も増えていくことになります。
ですので、適度なところで精度向上に対する取り組みを止めないと、実務上使えない仕組みになってしまうんです。

とはいっても、お客様の好みをある程度、理解できるだけでも、メルマガの種類は増えることになりますが・・・。

HTMLメールの出し分け

弊社の場合、HTMLメールによる出し分けを行いたいと考えていました。
しかし、HTMLメールコンテンツの作成には、どうしても時間がかかります。
たくさんの種類のHTMLメールを送るとなると、実務的には導入が難しいんです。

そこで、
弊社では、HTMLメールのコンテンツを半自動で生成するシステムを開発しました。
そうすることで、複数のメルマガを出し分ける負荷を大幅に下げることができるようになりました。

やりたいこととそれを実行できるシステムを整えたことで、現体制でも導入できる仕組みになったんです。

後日談ですが、
HTMLメールより、テキストメールのほうが、クリック率が高くなることが分かったので、現在では、テキストメールでのメルマガ配信が中心になっています。
メルマガをテキストメール中心にした経緯については、以前の記事で詳しく書きましたので、是非併せて読んでみてください。
過去の記事:『HTMLメールよりテキストメールのほうがクリック率が1.84倍高い』って知ってました?

まとめ|今後の発展について

『お客様のことを知りたい』『お客様に喜ばれる商品提案がしたい』という思いは、ECショップを運営される方であれば、全ての人がもたれているのではないでしょうか?

弊社でも、お客様一人一人にあった、ご提案をできるレベルまで、サービスのレベルを高めていきたいと考えています。

しかしながら、
一人一人のレベルで好みなどを把握したとしても、それを利用する体制が整ってなければ、意味がありません。

ですので、
結局は、『実務に使えるのか?』という問いに答えながら、一歩一歩、改善を進めていくしかないと思います。
時間はかかると思いますが、お客様一人一人に喜ばれるレベルで、商品のご提供ができるようにしていきたいと弊社では考えています。

弊社で成果が出たシステムは、今後、クラウドシステムとして提供していきたいと考えていますので、そちらも楽しみにしておいてくださいね。

以上、本記事が貴社のEC運営の役に立てば、幸いです。

記事を書いた人

加藤

在庫削減と仕入れ最適化の講座を担当しています。このレクチャーを読んでいただいたECショップのみなさまの在庫がうまく削減され、仕入れが最適化されればという思いで、執筆しました。 ご質問などありましたら、問い合わせフォームからお送り下さい。順番に返信させて頂きます。